透析患者さんの主な感染症
透析患者さんがかかりやすい感染症としては、やはり肺炎が挙げられます。現在は「医療・介護関連肺炎」と総称されています。これは、療養型病床に入院、介護を必要とする患者さんや、通院にて継続的に血管内治療(透析、抗菌薬、化学療法、免疫抑制薬等による治療)を受けている患者さんがかかる肺炎をまとめたもので、透析患者さんはこの範疇にはいります。
その他、リスクの高い感染症としては、敗血症やウイルス性肝炎、結核などが挙げられます。写真は、透析患者さんに生じた粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)の症例です。
予防接種は、インフルエンザと肺炎球菌が一般的
透析患者さんにも、予防接種は積極的にすすめられています。インフルエンザウイルスワクチンと肺炎球菌ポリサッカライドワクチンの予防接種が一般的です。
インフルエンザワクチンは、通常、効果が発現するまで2週間くらいかかりますので、流行期に先行して接種することがすすめられます。接種によりすぐに免疫反応がおこりますから、透析の施行による影響はありませんし、以後透析をしても抗体が除去されることはありません。
肺炎予防に関しては、万全ではないものの、肺炎球菌ワクチンの接種が有効で、5年に1度接種します。