キーワード透析事典

慢性腎臓病(CKD)

まんせいじんぞうびょう(しーけーでぃ)

Chronic Kidney Disease:CKD

CKDとは、慢性的に腎機能が低下した状態のことをいい、①尿異常、画像診断、血液、病理で腎障害の存在が明らか、②GFR<60mL/分/1.73m2 のいずれか、または両方が3カ月以上持続した状態と定義されています(図)。

図:CKDの定義

CKDは末期腎不全に至る危険性があるだけでなく、脳心血管病の危険因子でもあり、むしろ後者のリスクが高いことがわかっています。

CKDの重症度は、原疾患、GFR、タンパク尿の程度の3つによって決まります。それぞれのステージ区分で、死亡、末期腎不全、脳心血管病発症のリスクが分類されています(表)。

図:CKDの重症度分類

腎機能が低下してCKDステージG4 (GFR 15~30 mL/分/1.73m2)に至ると、医師は、透析療法および腎移植に関する情報提供を患者さんや家族に行うことが推奨されています。そしてCKDステージG5 (GFR 15 mL/分/1.73m2未満)に至る前に専門医に紹介し、CKDステージG5では、希望する腎代替療法の担当医(透析専門医または移植専門医)らが準備を始めることが望ましいとされています。

具体的なタイミングとしては、GFR 15未満になったぐらいから透析導入の可能性が生じ、GFR 8未満からGFR 2に低下した頃には血液透析の導入が望まれます(*)。

* 日本透析医学会, 維持血液透析ガイドライン:血液透析導入. 透析会誌 46(12): 1107, 2013

長沼 俊秀 先生

2016.04.28

長沼 俊秀 先生(大阪公立大学大学院 講師)

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