透析の合併症

二次性副甲状腺機能亢進症

岡田 一義 先生

2019.02.01

岡田 一義 先生(川島病院 副院長)

二次性副甲状腺機能亢進症の治療

二次性副甲状腺機能亢進症の治療の狙いは、血液中のリンとカルシウムを薬物療法によってコントロールし、PTHの過剰分泌を抑制することです。薬物療法でPTH分泌が抑制できなくなった場合に、手術療法が行われます。

【1】薬物療法

(1)リン吸着薬
食事中に含まれるリンを吸着して、血液中のリン濃度を下げます。
(2)ビタミンD3製剤
腸管からのカルシウム吸収を増やして、血液中のカルシウム濃度を上げます。
(3)カルシウム受容体作動薬
副甲状腺には、血液中のカルシウム濃度を感知してPTHの分泌を調節するカルシウム受容体があります。血液中のカルシウム濃度が上昇すると、PTHは低下します。カルシウム受容体作動薬は、カルシウムと同じようにその受容体に作用する薬で、血液中のカルシウム濃度とは無関係にPTHを低下させる薬です。

【2】手術療法

(1)副甲状腺摘出術(PTx)+前腕筋肉内自家移植術
副甲状腺をすべて摘出し、摘出した副甲状腺の一部を前腕に移植する方法で、PTHは劇的に低下します。
(2)副甲状腺薬物直接注入療法(PEIT)
腫大している副甲状腺が1腺のみで、穿刺可能な部位である場合に適応になります。超音波装置を使用して、皮膚から副甲状腺を穿刺して、薬物を注入する方法です。

二次性副甲状腺機能亢進症を防ぐためには

リンを制限した食事療法と十分な透析が基本です。さらに、必要に応じて、リン吸着薬、ビタミンD3製剤、カルシウム受容体作動薬を上手に使って、血液中のリン濃度を3.5~6.0 mg/dL、補正カルシウム濃度を8.4~10.0 mg/dL、PTH濃度を60~240 pg/mLに維持することが重要です。

*補正カルシウム濃度=カルシウム濃度+(4-アルブミン濃度)

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