不均衡症候群への対策

不均衡症候群がみられた場合、症状を抑える治療が行われ、例えば頭痛では鎮痛剤が、嘔気・嘔吐では制吐剤が使用されます。一方、予防も重要で、効率を抑えた透析や、浸透圧物質が使用されます。

効率を抑えた透析

老廃物を急激に除去することが原因と考えられていますので、透析導入期には、効率を抑えた透析が行われます。具体的な数値目標は示されていないのですが、血流量を少なく、比較的小さなダイアライザを使用し、透析時間も比較的短くします。また、尿素窒素などの老廃物や、カリウム・リンなどの電解質がたくさんたまっている場合には、１回あたりの透析効率を上げるよりは、頻回に行うことで、不均衡症候群を予防しつつ、老廃物を除去します。

浸透圧物質の使用

不均衡症候群は、先述のように、細胞外液の浸透圧が急激に低下することが原因の一つとして考えられています。このため、除去された老廃物が持っていた浸透圧を、体に無害な浸透圧物質で透析中に補うことで、細胞内外の浸透圧の差を抑えようという試みがなされます。このような目的として、グリセオール・マンニトールなどの浸透圧物質を透析中に使用することで、不均衡症候群を予防します。