高齢者の透析医療の現状

2013年の総務省国政局の発表によると、日本の総人口は1億2,726万人で、そのうち65歳以上の高齢者の割合は25%と過去最高・世界最高水準を示しており、わが国は高齢社会を迎えています。
また、透析患者さんの数は年々増加し、2000年末には201,914人だったのが、2014年末には320,448人に達し、この13年間に60%近く増加しました。年齢別では、65歳未満の数はほとんど変わらないのに対して、65歳以上は全体の43%から64%に増加、なかでも75歳以上は16%から31%に増加しました(図)。

図:透析患者数の年齢層の変化

透析患者さんのこの著しい高齢化は、日本の人口構成の高齢化や、長期透析患者さんの増加などが原因と考えられます。今後、さらに高齢化が進み、75歳以上の後期高齢者数が65~74歳の前期高齢者数を上回ることも予測されています。
また、透析開始時の平均年齢も、2000年の63.8歳から2014年には69.0歳となり、5歳の高齢化がみられました(図)。

図:透析患者さんの高齢化

透析開始の最も多い年齢層は、2000年では男性が65~70歳、女性の70~75歳でしたが、2014年には男性が75~80歳、女性が80〜85歳となり、今後さらに高齢化が進むことが予測されています。

高齢透析患者さんに見られる特徴

こうした高齢化に伴い問題となるのが、認知症の発症です。透析患者さんの認知症の有病率は全体で10.3%(2009年)でしたが、60歳以上では一般人口の2倍となり、糖尿病、脳梗塞、脳出血の既往があると、さらに有病率が高くなっていました。
また、生命予後に関しては、透析人口から算出した透析患者さんの余命が一般人口の余命の概ね半分であることが報告されており(2003年)、これは、若年者でも高齢者においても同じでした。

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