透析の合併症

透析アミロイドーシス

岡田 一義 先生

2018.08.31

岡田 一義 先生(川島病院 副院長)

透析アミロイドーシスの検査

透析アミロイドーシスは、誘発テストやレントゲン、MRIなどにより診断されます。

【1】手根幹症候群の誘発テスト

■ファーレンテスト
手関節を手のひらの方に曲げた状態を保ちます。指のしびれが発生したり、ひどくなったりすると陽性です。
■チネルサイン
ハンマーやスマートフォンのかどなどで、手関節部の正中を叩きます。正中神経領域に痛みがあると陽性です。

図:ファーレンテストとチネルサイン

【2】レントゲン検査

脊椎や手根骨、肩関節、大腿骨頸部に対して行います。透析アミロイドーシスであれば骨嚢胞が認められます。

【3】脊椎のMRI検査

レントゲン検査で骨の変形がなくても、靭帯が厚くなり脊柱管の狭窄が見られる場合があるため、必ず実施することが重要です。

【4】確定診断

患部の組織をとり、β2-MGアミロイドの染色を行い確認します。

【5】その他

CTや神経伝導度速度測定などを行う場合もあります。

透析アミロイドーシスの治療

透析患者さんでは、透析期間の経過とともにアミロイドが蓄積します。内科的治療では永続的な効果は見込めないため、症状の程度にはよりますが、手術が原則となります。

■外科的治療

手根管症候群の手根管開放術や滑膜切除術、ばね指に対する腱鞘切開術や、破壊性脊椎関節症に対する前方固定術、椎弓切除術、椎弓形成術、脊柱管狭窄症に対する腰椎後方除圧術などの整形外科治療を行います。
また、腎移植により改善することもあります。

■β2-MG吸着療法

血液透析施行時に、ダイアライザの前にβ2-MGを吸着するカラム(リクセル®)を接続して使用します。このカラムを使用するためには、保険上、透析歴が10年以上であること、以前に手根管開放術を受けていることなどの条件があり、血中β2-MG濃度が高いだけでは使用できません。

■内科的治療

関節痛に対する非ステロイド抗炎症薬や少量の副腎皮質ステロイド薬の内服、しびれに対するプレガバリン(リリカ®)、トラマドール/アセトアミノフェン配合薬(トラマドール®)、ビタミンB12内服などの対症療法が中心になります。

■その他

理学療法、ステロイド薬の関節内注射などがあります。

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