◆毎日食べるからこそ意識したい、お米選び
日本人の主食の1つ、お米。毎日食べたい方も多いと思いますが、お米にはリンも含まれるため、高リン血症の患者さんはちょっと気をつけておいたほうが良いようです。
そこで今回、市川和子先生(川崎医療福祉大学 医療技術学部臨床栄養学科 特任准教授(取材時))に上手なお米選びについて教えていただきました。
※2021年1月取材
◆リンの量を左右するのは「精米度」
お米にも、産地などによってさまざまな種類がありますが、高リン血症の透析患者さんが意識していただきたいのは「精米度」です。
精米とは、お米の表面部分である「ぬか層」を削ることです。精米度が高いお米ほど、ぬか層がより多く削られています。
ぬか層には、たんぱく質が多く含まれており、その分、リンも多く含まれている傾向があります。したがって、精米度が低いお米にはリンが多く、毎日食べているうちにリンを摂り過ぎることがあります。
☞ 参考:教えてドクター!「リン値が高いとどうなりますか?」
精米度によって、含まれるリンの量がどのくらい違うか、以下の図にお示しします。
玄米は、栄養が豊富で、一般的に体に良いイメージがあると思いますが、透析患者さんにとってはそうとも言えません。精米度が低い玄米は、精米度が高い精白米の約4倍ものリンを含んでいます。
リンを摂り過ぎる傾向がある方は、精米度が高いお米を選ぶと良いでしょう。さらに、炊く前にお米をよく洗うようにすると、よりリンを減らすことができます。
また、近年では通信販売も多くなっている「低たんぱく米」も、リンの含有率が抑えられており、リンを摂り過ぎないためには有用な食品です。
ただし、前述のとおり、食品に含まれるリンとたんぱく質の量には相関関係があり、リンを抑えると、逆にたんぱく質が不足しがちになります。たんぱく質が不足すると、体が弱くなってしまうので、これでは本末転倒です。
その場合は、たんぱく質の割にリンが比較的少ない食品を主菜にするなどして、しっかりとたんぱく質を補うようにしましょう。
☞ 参考:教えてドクター!「リンはどのような食事、食品に多く含まれていますか?」