透析量を増やすために~時間(長時間透析)

透析療法の基礎知識

透析量を増やすために~時間(長時間透析)

前田 兼徳 先生

2017.01.20

前田 兼徳 先生(前田医院 副院長)

長時間透析のデメリット

一方、長時間透析の欠点としては、治療による患者の拘束時間が長いことや、週3回の長時間透析だけでは、急性期合併症が起こりやすいといわれる「魔の2日空き」(図)が解消されないことが挙げられます。

図:魔の2日空き

「中2日」を避けるには隔日透析や頻回透析が理想的ですが、これらを施設透析で行うのはなかなか現実的ではなく、この点では在宅血液透析の普及に大いに期待したいところです。

また、当院の長時間透析の経験では、食事制限の大幅な緩和(限定自由食)による肥満傾向の患者さんが散見され、メタボリックシンドロームに代表される、新たな合併症の出現にも注意が必要となってきています。
一方、食事の摂取が不十分な高齢透析患者さんや低栄養透析患者さんに長時間透析を行う場合は、アミノ酸やカルニチン、微量元素といった、体内に必要な小分子が過剰に除去されないことや、透析後の低リン血症、低カリウム血症に配慮することが重要です。

ただ、透析療法では、「治療時間」そのものが患者さんに与えるメリットは、透析効率以外の面でも大きいといえます。安易に透析時間を短縮せず、可能なかぎり一定の透析時間を維持しながら、血流量や透析液流量の調整を試み、場合によっては不足する栄養素を透析中に付加することで、循環動態に優しい穏やかな長時間透析を提供することが望ましい場合もあります。

さいごに

治療に要する「時間」は患者さんのものであることから、血液透析には前述のメリットとデメリットを考慮した治療時間の設定が望まれます。

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