透析量を増やすために 〜頻度(頻回透析)

透析療法の基礎知識

透析量を増やすために 〜頻度(頻回透析)

一色 啓二 先生

2017.02.03

一色 啓二 先生(富田クリニック(本院) 院長)

HDP増加の鍵は、時間と回数を増やすこと

「血液透析で処理される患者の血液量」と定義される「透析量」の指標のひとつに、2002年にScribner先生が提唱したHDP (Hemodialysis Product)があります。この透析効率の指標は、透析患者さんの臨床症状に基づいたもので、(1回の透析時間(時間))×(1週間の透析回数)×(1週間の透析回数)で計算されます。
HDPと臨床症状や生命予後の改善の程度は正比例の関係にあり、HDPの数値が高いほど“元気(=尿毒症や合併症などによる症状がない・生命予後が良い)で長生き”に過ごせます。
HDPを増やすには、「透析時間を長くすること」と「透析回数を増やすこと」です。長い時間透析をする血液透析=長時間血液透析とともに、透析回数(頻度)を増やした血液透析=頻回血液透析(以下頻回透析)は、透析量を増やす透析スケジュールとなります。しかも頻回透析は、回数の2乗の割合でHDPを増やす、非常に有効な手段です(表)。

表:1回の透析時間/週の透析回数とHDP

頻回透析の定義とメリットとは

わが国で一般的に行われている、週3回・1回3~6時間未満の血液透析を標準血液透析とすると、頻回透析は週5回以上の治療と定義されます(*1)。頻回透析にも、1回6時間以上の長時間頻回透析や、1回1.5~3時間未満の短時間頻回透析、1回3~6時間未満の標準時間頻回透析があり、治療を行う場所によって、施設と在宅での頻回透析に分けられます(表)。

表:標準血液透析と頻回血液透析

頻回透析は透析間隔が短いので、透析間の体重増加を少なくでき、血行動態が安定します。そのため、これまで安定的に透析ができなかった、血圧の不安定な方や、心臓血管合併症を持っている方に対して、安全な透析が行えます。もちろん、より“元気に長生き”をするための積極的な選択肢のひとつにもなります。

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