透析療法の基礎知識

バスキュラーアクセス(シャント)とその役割

深澤 瑞也 先生

2016.05.20

深澤 瑞也 先生(山梨大学大学院 特任准教授)

バスキュラーアクセスは透析の出入口

血液透析では血液を体内から透析回路内(体外)に約200mL/分で脱血・返血する必要があります。このため、透析の出入口としてバスキュラーアクセスは必要不可欠と言えます。
しかし、私たちのいくら太い体表の静脈に穿刺しても、とてもその血流を得ることはできません。臨時で数回使用するだけであれば、直接四肢の動脈や、中心静脈と呼ばれる体幹の太い静脈に穿刺することで透析を施行することは可能ですが、継続して使用することは困難となります。このため、何らかの形でその機能を人為的に新規に作製する必要があります。

バスキュラーアクセスの種類

バスキュラーアクセスには、大きく分けて2つの種類があります。透析に使用していない時にも常時血流が流れているものと、使用する時のみに血流が得られるものの2つとなります(表)。本邦において一般的には内シャント(日本透析医学会の調査では約90%近くの患者さんが設置)で維持管理されています。

表:バスキュラーアクセスの種類

そこで今回は、内シャント(AVF)に関してお話を進めてまいりましょう。
AVFは通常、局所麻酔(歯を抜くときと同じような麻酔)で、1時間前後で作製されることが多いようです。一般的には非利き腕の手関節周辺に作製します。図のように、静脈の末梢側を結紮(注:糸などで縛って結ぶこと)し、動脈と吻合(注:つなぎ合わせること)します。

図:内シャント(AVF)の作製

作製してしばらく経過すると、透析に十分な血流(約500mL/分)が得られるシャントとなります。透析時には点滴同様(針は太いですが)、脱血側(A側)、返血測(V側)の針を穿刺します。透析終了後に抜針すると自然治癒力で閉鎖しますので、非透析日には入浴も可能となります。

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