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透析時間を今より短くできませんか?

通院で1回4時間・週3回の血液透析を受けています。今の透析時間をもっと短くできないでしょうか。

合併症を予防し、健康的な生活を送るには、今の透析量を維持することが大切です。

深澤 瑞也 先生

2017.08.25

[監修] 深澤 瑞也 先生(山梨大学大学院 病院准教授)

1回4時間・週3回というのは、わが国で行われている血液透析の一般的な治療時間ですね。時間もかかり、頻回に通院するのは大変なことと思いますが、1回4時間・週3回というのは、24時間365日休まず働く腎臓の機能を代替するには十分とはいえません。
日本透析医学会のガイドラインでも、週3回の血液透析の透析時間は「4時間以上」を推奨しており、今の時間・回数は、最低限守られるべき条件といえるでしょう。

血液透析で除去される体内の毒素の量は、「透析量」で判断されます。透析量にはいくつか指標がありますが、そのひとつに「 HDP(Hemodialysis Product)」というものがあります。HDPは「1回の透析時間」×「週の透析回数」×「週の透析回数」で算出され、HDPが高いほど、その後の合併症の症状が少なく、生命予後が改善されるといわれています(図)。

図:透析量の指標 HDP

もし、現状のHDPを維持した上で1回あたりの透析時間を減らすとしたら、「透析回数を増やす(=頻回透析)」という方法が考えられますが、残念ながら頻回透析を実施する施設が少なく、通院で行うのは難しいのが実情です。また現状の保険制度では月14回を超える血液透析は認められていません。自宅でみずから血液透析を行う「在宅血液透析」ならば、1回3時間・週5回のような短時間・頻回透析も可能な場合もありますが、自己管理や金銭負担など、考えなければならない問題もあります。

透析条件は、残存腎機能や年齢、性別、活動量、食事摂取量、合併症などから総合的に判断して設定されます。合併症を予防し、健康的な日常生活を送るためには、今の透析量が最低限必要であると捉え、前向きに取り組んでいただければと思います。

* 日本透析医学会「維持血液透析ガイドライン:血液透析処方」透析会誌 46(7): 587, 2013

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