質問者さんの透析の原因となった病気が何かはわかりませんが、明らかに遺伝性のある腎臓病としては、多発性嚢胞腎やアルポート症候群などが知られています。
多発性嚢胞腎は、腎臓に尿が溜まった小さな袋状の嚢胞が沢山できて腎臓の機能が低下する病気です(写真)。成人になるまで特徴的な症状がなく、超音波検査で偶然見つかることもあります。
アルポート症候群は、腎臓の糸球体と呼ばれる尿を濾す器官が侵される病気で、小児期から蛋白尿、血尿がみられ、比較的早期に腎不全となります。
しかし、これらの病気を持つ人は透析導入となった患者さんの中でも少数で、およそ半数近くは糖尿病性腎症が原因といわれています(図)。
また、高血圧、肥満、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病が、尿の異常や腎機能が低下し続けている状態(慢性腎臓病(CKD:chronic kidney disease))を招くこともあります。
生活習慣病は、明らかに原因となる遺伝子が存在しているわけではありませんが、例えば、血圧が高い、太りやすい、血糖値が高い、コレステロールが高い、尿酸が高い(痛風)などの症状が親子に共通してみられることはよくあります。その体質が子供に伝わることはありますので、普段から、お子さんの食事や生活習慣に注意しておきましょう。