QDというのは、「透析液流量(quantity of dialysate flow rate)」のことをいいます。表される数字は1分間にダイアライザの中を流れる透析液の量で、単位はmL/分です。
ダイアライザ内では、透析膜を介して、血液と透析液が逆向きに流れています(図1)。その際、拡散などの物理的現象により、血液中の老廃物が透析液に移動します。
一定時間に血液中の老廃物をどれだけ除去できるかは、血液が流れる量(血流量:QB)とQDによって決まります。(ほかにも、ダイアライザの種類・大きさなどが関係します。)
分子量が小さい毒素は、QDを上げるほどたくさん除去できます。ただ、透析効率全体からすると、QBとのバランスが重要で、その比率はQB:QD=1:2がよいといわれています*。
ちなみに、血液透析の一般的なQDは400〜500mL/分です(図2)。
QDの値は、QBに比較すると、透析効率に与える影響は少ないこと、またQBはおおよそ200~250ml/分程度にすることが多いため、通常は透析施設の中で一律にしていることが多いようです。
気になる方は、自分のQDの値を尋ねてみてはいかがでしょうか。
* 日本透析医学会「維持血液透析ガイドライン:血液透析処方」, 透析会誌 46(7): 587, 2013