【血液透析の患者さん】
血液透析患者さんは、シャント感染症の心配があると思いますが、基本的には透析日を避ければ問題ありません。透析を受けた日は、感染を避けるためにも、自宅、公衆浴場ともに避けた方がよいでしょう(表)。
これまで、環境省が定める温泉の禁忌症(1回の温泉入浴または飲用でも有害事象を生ずる危険性がある病気・病態)に「腎疾患」が含まれていましたが、平成26年の改定で「むくみのあるような重い腎臓の病気」に変更されました。透析で体調が安定している患者さんは比較的落ち着いた病態にあり、禁忌に該当しないものと解釈できます。
ただ、入浴の際は、なるべく体に負担がかからないよう、長湯は避けましょう。
また、温泉を飲む「飲泉」は、慎重になる必要があります。ナトリウムイオン、カリウムイオンが含まれている温泉は、塩分やカリウムの摂取につながるので避けたほうが無難です。
その他、入浴の際に気になることがあれば、主治医に相談することをおすすめします。一般的な温泉利用の注意については、環境省発行の「あんしん・あんぜんな温泉利用のいろは」をご覧ください(図)。
【腹膜透析の患者さん】
腹膜透析患者さんは、カテーテル出口部の感染を避けるためにも、温泉宿であればお部屋についている浴室を使い、自宅と同じように入浴するのが望ましいでしょう(表)。