自宅で調理をする場合のリンを減らすポイントは、大きく分けて、(1)食品選びと(2)調理方法の工夫の2つがあります(図)。
(1)食品選び
リンの含有量は、食品によって異なります。調理の際は、なるべくリンの少ない食品を選んだり、食材の一部または全てをリンの少ない食品に置き換えたりするとよいでしょう。
また、リンには有機リンと無機リンがあり、腸から吸収されやすい無機リン(食品添加物入りの加工食品)は、できるだけ避けたほうが無難です。
(2)調理方法の工夫
食品のリンを減らす調理方法としては、ゆでこぼしや水にさらすといった方法があります(表)。これらは、カリウムも減らすことができるのでおすすめです。
加工食品に対しては、麺のゆで汁を捨てたり、熱湯の中で振り洗いをしたりすることで、無機リン(食品添加物)をお湯の中に溶け出させて取り除くことができます。
ただ、なるべくリンを摂らないようにと食事自体の量を減らしてしまうとエネルギー不足になり、たんぱく質1gあたりおよそ15mgのリンを含むので、たんぱく質不足や必要な栄養素の不足にもつながります*。
血清リン濃度の管理は、透析療法、食事療法、リン吸着薬の服用を組み合わせた総合的なものです。医師や管理栄養士のアドバイスを受けて適切に行いましょう。
* 中尾俊之ほか,「慢性透析患者の食事療法基準」, 透析会誌 47(5): 287, 2014