透析患者さんは健康な人に比べて、感染症にかかるリスクが高く、重症化しやすいといわれています。それは、免疫機能が低下している上、多くの患者さんが一箇所に集まって定期的に透析を行うという、特殊な治療環境にあるためです。
透析患者さんがかかりやすい主な感染症は、肺炎、シャント感染(血液透析)、腹膜炎・カテーテル関連感染症(腹膜透析)です。また尿量が少ないため、尿路感染症にもかかりやすくなります。
これらの病気を防ぐには、免疫力の低下を防ぐ身体づくりと、感染しにくい環境づくりが大切です。
十分な透析を受けるのはもちろんのこと、栄養バランスのとれた食事や休息は欠かせません。また、外出後は手洗いやうがいをし、人ごみではマスクを着用すると安心でしょう。シャントの穿刺部やカテーテル出口部は、普段から清潔を心がけます。また、インフルエンザや肺炎球菌などのワクチン接種も効果的です(図)。
もし感染症にかかった場合は、重症化を防ぐためにも早期発見・治療が鍵となります。咳や発熱、傷口の悪化など、体調に異変を感じたら、早めに医師に相談しましょう。