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「 2日空き」の日に注意しなければいけないことはありますか?

現在、月・水・金の週3回の血液透析を受けています。2日空きの日に気をつけたほうがよいことはありますか。

2日空きで最も気をつけたいのが、ドライウエイトの管理です。きちんと栄養をとった上で、水分と塩分の摂取量に気をつけましょう。

伊丹 儀友 先生

2017.11.24

[監修] 伊丹 儀友 先生(伊丹腎クリニック 理事長/院長)

「2日空き(中2日)」というのは、透析日から次の透析日まで丸2日間空くことを指します。質問者さんの例でいうと、金曜日の透析から月曜日の透析までの間の、週末(土曜・日曜)のことですね。

その2日空きで最も気をつけたいのは、ドライウエイトからの体重増加です。2日空きの間は、それ以外の時に比べて心不全や不整脈を起こしやすく死亡率が高い*1といわれているので、注意が必要です。

日本透析医学会のガイドラインでは、2日空きの体重増加はドライウエイトの6%が望ましいとされています*2。したがってこの期間の過剰な体重増加は避けたいところです。
実は、水分摂取量というのは塩分の摂取量に左右されます。例えば、尿がほとんどでない患者さんでは、8gの食塩を摂ると、喉の渇きがおさまるまで1L*2の水分を要する、つまり体重が1kg増加するといわれています(図)。

図:食塩摂取と水分摂取の関係

日本腎臓学会の食事療法基準では、週3回の血液透析の塩分摂取基準は1日6g未満です(表)。したがって、1回の食事では食塩2g未満を目安にすることが目標となります。

表:透析患者さんの食塩摂取量の基準

ただし、塩分を控えようとするあまり、食事自体を摂らずエネルギー・栄養不足になってしまっては本末転倒です。今の健康を維持するためには、きちんとエネルギー・栄養を摂ることこそが重要であると認識しておきましょう。

また、患者さんによっては、週末に外食の予定などが入り、塩分や水分をいつも以上に摂取してしまう方もいると思います。それに備えて、金曜日の透析では、きちんとドライウエイトにおさまるようにするというのもポイントです。

*1 Foley RN, et al. N Engl J Med 365: 1099, 2011
*2 日本透析医学会「維持血液透析ガイドライン:血液透析処方」, 透析会誌 46(7): 587, 2013

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