今や日本の国民食と呼べるほど馴染み深いラーメンですが、透析患者さんにとっては、できれば避けたほうがよい食べ物といえます。
その一番の理由は、ラーメンに含まれる塩分です。ラーメン1食あたりの塩分量は、およそ5〜6gです(図1)。
血液透析患者さんの1日の食塩摂取量の基準は6g未満*ですから、全て食べきると、およそ1日分の塩分を摂ることになってしまいます。さらに、8gの食塩は1kgの体重増加につながります。塩分の多くは汁に含まれますが、麺にも含まれる点に注意が必要です。
さらに、添加物が入っているインスタントラーメンでは、リンの摂取も心配です。血清リン値が気になる人は、インスタントラーメンの摂取を控えるのが無難でしょう。
それでもラーメンを食べたい場合は、できるだけ塩分やリンを控える工夫をしましょう(図2)。
例えば外食でラーメンを食べる際は、汁を必ず残します。自宅でラーメンを作るのであれば、麺のゆで汁は捨て、スープ用のお湯を別に用意することでリンを減らせます。この場合も、汁は必ず残しましょう。
* 中尾 俊之ほか,「慢性透析患者の食事療法基準」, 透析会誌 47(5): 287, 2014