食事のポイント

減塩アイテムの活用

矢吹病院 健康栄養科

2017.10.06

矢吹病院 健康栄養科

減塩アイテムを活用して塩分コントロール

「塩分のコントロールのコツ」で紹介したように、透析後から次の透析までの体重増加を適切にコントロールするためには塩分管理が重要となります。
そこでこの記事では、塩分管理の助けとなる減塩アイテムと活用方法を紹介します。

【活用 1】減塩に効果的な食材を使う

図1に、減塩に効果的な食材と特徴を示しました。これらの食材には塩分はほとんど含まれていません。
減塩のためにただ調味料を少なくするだけでは味がぼやけてしまうことがありますが、これらの食材が加わることで味が引き締まったり、深みが出て減塩でもおいしさが増します。

図1:減塩に効果的な食材

【活用 2】減塩タイプの調味料を使う

図2に、おもな調味料の小さじ1杯あたりの塩分量を示しました。顆粒和風だし、しょうゆ、みそは特に塩分含有量が多いことがわかります。

図2:調味料 小さじ1杯あたりの塩分量

これらを食塩無添加の顆粒だし、減塩しょうゆ、減塩みそへ替えるだけでも減塩に効果的です。ただし同じ「減塩」と書いてあっても、20%減塩や50%減塩など減塩の割合はさまざまなので表示を確認しましょう。
商品によっては食塩を減らす代わりに、塩化カリウムを添加しているものもあります。透析患者さんでは高カリウム血症を招く恐れがあるため、栄養成分表示をよく確認してから購入しましょう。

また、図2をみるとしょうゆの塩分を50%カットするよりも、マヨネーズやトマトケチャップのほうが塩分量が少ないことがわかります。このように、もともと塩分量の少ない調味料を活用することも減塩に効果的です。

【活用 3】便利なグッズを活用する

■しょうゆスプレー

最近スーパーでも見かけるようになったしょうゆスプレー。1プッシュ=約0.1mlのものが多いようです。
少量で均一に広がるので、使用量を抑えられるだけでなく、スプレーすることで香りが広がり少ない量でも満足感があります。

■塩分測定器

透析患者さんの中には気づかないうちに味覚障害を起こしていたり、濃い味に慣れていて、自分では薄味にしているつもりが実は塩分濃度が高かったりすることがあります。時々塩分濃度を測定することは、普段の味付けを確認する良い機会になります。

塩分測定器は、みそ汁や麺類の汁など主に液体の塩分濃度(%)を測定できます。携帯にも便利で、外食時にも手軽に使えます。(測定方法の注意点など説明書をよく読んでからお使いください。)

出てきた塩分濃度(%)から塩分量(g)を計算する場合は以下の式に当てはめます。
汁物の重量(g)×塩分濃度(%)÷100=塩分量(g)
※汁物の重量は具を除いた汁のみの重量です。

以下の早見表から簡単に塩分量を割り出すこともできます。

表:汁物の塩分量 早見表

ページ上部へ