さまざまな栄養素をバランスよく含む牛乳は、栄養学的に優れた食品といわれています。しかし、透析患者さんや腎機能が低下した患者さんでは注意が必要です。
その理由は、牛乳に含まれるリンです。牛乳は飲み物の中でもリンの量が多く、しかも、たんぱく質量の割にリンが多いという特徴があります。リン制限のある人は、できるだけ摂取を控え、ほかの食品でたんぱく質を補うのが望ましいでしょう。
また、牛乳だけではなく、チーズやヨーグルト、生クリーム、アイスクリームなどの乳製品(図)、それらの食材を使ったドリアやグラタン、ピザ、クリームシチューなどにも、リンが多く含まれます。缶コーヒーやカフェオレなどの飲み物にも、牛乳や乳製品が使われているので注意しましょう。
ただ、リンの摂取量というのは、他の食品も含めた1日の食事全体で判断するものですし、血清リン値の管理は、透析療法、食事療法、リン吸着薬の服用を組み合わせて行われます。
好きな食べ物すべてをがまんするのは難しいですし、食事も味気ないものになってしまいますね。
どうしても食べたい物は、食べる量や頻度、いつ食べるか、食べたいものの代わりになるリンが少ない食べ物があるか、上手な食品の選び方(例えば、同じ寿司でも選ぶ寿司ネタによってリンの量が違います)など、医師や管理栄養士に相談してみましょう。
リンのことを知って、上手に食品を選びながら食事を楽しみましょう。